育児・子育てのお悩み

つわりの時に豆腐ばかり食べて栄養は大丈夫? おすすめの食べ方と注意点

 

つわりの時はごはんの炊けるにおいも嫌になり、食べられるものが減って、とてもツライですよね。

そんなときに、つるんとして口当たりのよい豆腐は、妊婦さんの強い味方になってくれます。

しかし、いくら食べやすいからといって、豆腐ばかり食べていて本当に大丈夫なのかと、不安になる人もいるでしょう。

今回は、そんな方の疑問にお答えします!

 

この記事からわかること

・豆腐から摂取できる栄養とできない栄養

・妊娠中に豆腐を食べるときに知っておくべき注意点

・つわりの時におすすめの食べ物

豆腐に含まれる妊娠中に摂りたい栄養素

 

 

「畑の肉」とも呼ばれる大豆から作られている豆腐は、いろいろな栄養素が入っているおすすめの食材です。

そして、豆腐には妊娠中に重要な次の4つの栄養素が含まれています。

 

豆腐に含まれる妊娠中に重要な栄養素

・タンパク質

・鉄分

・カルシウム

・葉酸

 

それでは、それぞれの栄養素と豆腐に含まれる量について、詳しく説明していきます。

タンパク質

糖質・脂質と共に三大栄養素の一つであるタンパク質は、体をつくる元となる重要な栄養素です。

内臓・筋肉・皮膚・爪・髪などの体の組織は、タンパク質が材料となって作られています。

豆腐に含まれるタンパク質の量は次の通りです。

 

栄養素

推奨量(1日)※

絹豆腐(100g)

木綿豆腐(100g)

タンパク質 50g 4.9g 6.6g

 

豆腐1丁は約300gなので、1食分だと100gぐらいと考えられます。

もし全てのタンパク質を豆腐から取ろうとすると、絹豆腐を1日に3丁以上食べることになります。

いくら食べやすいといっても、1日に3丁は現実的ではないですね。

ですから、豆腐とあわせて下記のようなタンパク質を多く含む食品を取るとよいでしょう。

※上に記載したタンパク質の推奨量は、妊娠初期を対象としています。妊娠中期には60g、妊娠後期には75gとさらに上がります。

 

メモ

タンパク質を多く含む食品

牛ヒレ肉・鶏むね肉・牛乳・卵 など

鉄分

鉄分は血となって、全身に酸素を運びます。妊娠中は赤ちゃんに栄養を送るため、普段よりも貧血になりやすくなるので、意識してしっかり取らなければなりません。

1食分の豆腐に含まれる鉄分の量は次の通りです。

 

栄養素

推奨量(1日)※

絹豆腐(100g)

木綿豆腐(100g)

鉄分 13mg 0.8mg 0.9mg

 

タンパク質と同じように、鉄分も豆腐のみから1日に必要な量を確保するのは、とても難しいでしょう。

鉄分は豆腐以外にも次の食品に多く含まれているので、組み合わせて食べることをおすすめします。

※上に記載した鉄分の推奨量は、妊娠初期を対象としています。妊娠中期および後期には25.5mgとさらに上がります。

 

メモ

鉄分を多く含む食品

レバー・アサリ・小松菜・ひじき など

カルシウム

カルシウムは赤ちゃんの骨や歯をつくる重要な栄養素です。また、母体の血圧を安定させる働きもあります。

1食分の豆腐に含まれるカルシウムの量は次の通りです。

 

栄養素

推奨量(1日)

絹豆腐(100g)

木綿豆腐(100g)

カルシウム 650mg 140mg 150mg

 

カルシウムもやはり、豆腐のみから摂取するよりも他の食品と組み合わせた方が効率的です。

カルシウムは豆腐以外にも次の食品に多く含まれています。

 

メモ

カルシウムを多く含む食品

牛乳・ししゃも・桜エビ・ごま など

葉酸

 

妊娠中に必要な栄養素として有名な葉酸は、ビタミン12と共に細胞の核にあるDNAを作り出します。

妊娠初期にしっかり摂取しておくことで、赤ちゃんに神経管閉鎖障害という先天性異常が発症するリスクを減らすことが出来ます。

1食分の豆腐に含まれる葉酸の量は次の通りです。

 

栄養素

推奨量(1日)

絹豆腐(100g)

木綿豆腐(100g)

葉酸 480μg 11μg 12μg

 

妊娠中に葉酸は普段の倍必要だとされているため、豆腐以外からもしっかり取ることをおすすめします。

葉酸は次のような食品に多く含まれています。

メモ

葉酸を多く含む食品

菜の花・枝豆・ブロッコリー・イチゴ など

 

豆腐は他にも、腸内環境を整えるオリゴ糖や美肌効果のあるレシチンなどの栄養素を含んでいます。

ただし、豆腐は低カロリーでヘルシーなイメージがあるように、豆腐のみでしっかりと栄養が取れるものではありません。

他の食品と組み合わせてバランス良く食べることをおすすめします。

豆腐だけでは不足する妊娠中に必要な栄養素

 

 

豆腐にはいろいろな栄養素が含まれているものの、次の栄養素は豆腐から取ることはできません。

いずれも妊娠中に必要な栄養素なので、意識して取った方がよいでしょう。

 

豆腐だけでは不足する栄養素

・ビタミンA

・ビタミンB12

・ビタミンC

ビタミンA

 

目・のど・鼻の粘膜を健康に保つために必要なビタミンAは、母体の免疫力を高めて感染症を防ぎます。

このビタミンAは、豆腐にはほぼ含まれていません。

ビタミンAは次のような食品に多く含まれています。

 

メモ

ビタミンAを多く含む食品

レバー・ウナギ・銀ダラ・トマト など

ビタミンB12

 

先ほどあげた葉酸と共にDNAを作り出すビタミンB12は、動物性食品に含まれ、植物性食品には含まれません。

ヴィーガンやベジタリアンの方は、サプリメントを利用して摂取することをおすすめします。

 

メモ

ビタミンB12を多く含む食品

シジミ・アサリ・サンマ・牛肉 など

ビタミンC

 

ビタミンCは免疫力をを高めて感染症を防ぐほか、鉄分の吸収を高める働きがあります。

そしてこのビタミンCも、豆腐には全く含まれていません。

なお、ビタミンCは体に蓄積されにくいので、毎食欠かさず、こまめに取った方がよいでしょう。

 

メモ

ビタミンCを多く含む食品

パプリカ・ブロッコリー・キャベツ・イチゴ など

妊娠中に豆腐を食べる時の注意点

妊娠中に豆腐を食べる時は、次の3つのキーワードについて知っておいた方がよいでしょう。

 

注意

・塩分

・大豆イソフラボン

・アレルギー

 

それでは、それぞれについて説明していきます。

塩分を控えすぎていませんか?

豆腐メニューとして定番の冷や奴や湯豆腐には、醤油やポン酢などの塩分が欠かせません。

これに対して、妊娠中に病院から受ける食事指導の一つに「減塩」があります。

この「減塩」は「妊娠高血圧症候群」になることを防ぐために、とても重要なことです。

もし「妊娠高血圧症候群」にかかると、子宮や胎盤での血流が悪くなり、赤ちゃんが栄養不足や酸素不足になる可能性があります。

しかし、「減塩」については次のような考え方もあります。

妊娠初期では妊娠高血圧症予防のためにナトリウム制限をしても逆効果になる

「塩分制限をしないと妊娠高血圧症になるのではないか」と考えている方は多くいらっしゃいます。実際、妊娠高血圧症にならないように自らナトリウム制限をする方が多数見受けられますし、周囲の方が制限させる場合もあります。しかし妊娠初期の場合は、塩分制限がかえって悪阻を悪化させると考えられます。

引用:Medical Note

 

「妊娠高血圧症候群」は妊娠後期に発症するケースが多い病気です。

妊娠初期のつわりの症状が強い段階では、あまり気にしすぎずに、つわりの症状が治まってから「減塩」を始めるでも良いのではないでしょうか。

大豆イソフラボンの取り過ぎは危険?

 

美容に良い栄養素の1つとして、大豆イソフラボンは広く知られています。

大豆イソフラボンは、女性ホルモンである「エストロゲン」と似た分子構造をしています。

そのため、閉経前に女性ホルモンの減少によって引き起こされる更年期障害の症状を緩和するサプリメントとして、注目されています。

 

しかし、この大豆イソフラボンを妊娠中の女性がたくさん摂取することについては、少し注意が必要です。

妊婦がどのくらい大豆イソフラボンを摂取しても問題ないかについて、まだ科学的に明らかになっていない、と厚生労働省は回答しています。

 

これは、日常的に豆腐や納豆などの大豆製品を食べている妊娠中の人が、サプリメントなどを利用して、さらに摂取することは推奨しない、ということです。

日常的にバランスよく豆腐を食べる分には、全く問題がないでしょう。

花粉症の人は特に注意! アレルギー

「大豆アレルギー」があることは有名ですが、成人してから診断される人も多くいることはご存知でしょうか?

乳幼児期に診断される「大豆アレルギー」とは違い、ハンノキシラカンバなどのカバノキ科花粉と大豆の成分が交差反応して発症するものです。

 

大豆の中のアレルギー成分は、加工の過程で失活しやすいことから、納豆や醤油などの加工過程の多いものからは発症せず、水分の多い豆腐豆乳などを摂取したときに発症するケースが多いようです。

 

豆腐を食べたときに次のような症状が出るようであれば、注意が必要です。

注意

・皮膚や粘膜のかゆみや赤みや蕁麻疹

・呼吸困難

豆腐のおすすめの食べ方

冷や奴や湯豆腐にはもう飽きた!という方は、下記のような新しいメニューにも挑戦してみてはいかがでしょうか?

先ほどあげた豆腐から取ることが出来ない栄養も、これらのメニューなら豆腐を食べるのと同時に取ることが出来ます。

豆腐のカプレーゼ

 

※写真はイメージです

 

モッツァレラチーズの代わりに、豆腐を使ったカプレーゼです。じつは、豆腐とオリーブオイルの相性がいいことはご存じですか?

妊娠中は、ナチュラルチーズなどの加熱の不十分なものは避けるよう指導されていますが、豆腐で代用すればイタリアンも楽しめます。

トマトとバジルからビタミンAとビタミンCを取ることが出来ます。

おいしく作るポイントは、しっかりと豆腐の水切りをすることです。

ドレッシングにはレモンを使って、さらにビタミンCをプラスするのがおすすめです。

 

メモ

レモンドレッシング

(作りやすい量)

・レモン      1/2個

・オリーブオイル  大2

・塩        小1/2

・ブラックペッパー 少々

豆腐チゲ

 

引用:味の素公式/レシピ大百科/あさりと豆腐のチゲ

 

つわりの時期になぜか辛い物が無性に食べたくなった、という話も多く聞きます。

激辛は避けた方がよいでしょうが、少しくらい辛い物を食べる分には問題ありません。

また、辛い物に含まれる香辛料には食欲を増進させる効果もあります。

豆腐チゲを作るときにおすすめなのは、アサリを使うことです。

アサリには豆腐に含まれないビタミンB12がたくさん含まれていますし、鉄分やカルシウムも補うことが出来ます。

豆腐ハンバーグ

 

引用:サントリー公式/レシピッタ/ひじき入り豆腐ハンバーグ

 

つわりになってから肉や魚を受け付けなくなった人もいるのでは?

そんな方はタンパク質不足が気になりますよね。

豆腐と混ぜれば臭いも少し軽減されて、食べやすくなるかもしれません。

写真のように大根おろしを添えて、おろしポン酢で食べれば、脂っぽさも軽減します。

ひじきを混ぜれば、鉄分やカルシウムもさらにアップして、栄養満点ですね!

知らないと損する! 豆腐関連商品

豆腐といえば絹豆腐か木綿豆腐を思い浮かべますが、それ以外にも色々な関連商品が販売されています。

もしかすると、つわりの時の強い味方となってくれる商品が、この中にあるかも知れません!

玉子豆腐

 

引用:セブンプレミアム公式/商品情報/玉子とうふ80g×3個入

玉子豆腐は名前に豆腐とついていますが、大豆やにがりは使用していません。

材料はだし汁と卵で、豆腐というより「茶碗蒸し」に近いものですが、「茶碗蒸し」とは違い具材は特に入っていません。

茶碗蒸しは作るのに手間がかかりますが、冷蔵庫から出してそのまますぐに食べられるのは嬉しいですね。

ごま豆腐

 

引用:紀文公式/商品情報/ごまとうふ

ごま豆腐も玉子豆腐と同じように、大豆やにがりを使用しておらず、材料はゴマと葛粉で、元々は僧侶が食べる精進料理の1つでした。

見た目や食感は豆腐と似ていて、付属のタレやわさび醬油でいただきます。

私はごま豆腐が大好きで、つわりの時もとても助けられました。

がんもどき

 

おでんの具材として定番のがんもどきは、豆腐をつぶして山芋や卵白とともに、細かく切った野菜を入れて油で揚げたものです。

ですから、当然に豆腐を食べるよりも栄養価が高くなるので、もし煮物などが食べられるようであれば、レパートリーに加えてみてください。

豆腐以外でつわりの時に食べやすいもの

豆腐以外にも、つわりの時に食べやすいものとして、次のような食べ物があげられます。

おすすめ

・トマト

・柑橘系フルーツ

・ゼリー

・アイス

・ナッツ類

 

オレンジなどの柑橘系フルーツやトマトは、さっぱりした口当たりで、ビタミンCも多く含まれており、空腹のときにつまみやすいですね。

また、つわりの時は水を飲むのも気持ち悪いという方もいますが、フルーツから水分補給するのもよいでしょう。

     

つわりの時は胃に負担をかけないためにも、小分けにして少しづつ食べることがおすすめです。

小さいパックに入っているゼリーやアイスを冷蔵庫に保管しておくと便利です。

 

そして、食べ物の匂いが全てダメ!という方は、ナッツ類はいかがでしょうか?

ナッツには、タンパク質や脂質や糖質の3大栄養素だけでなく、ビタミン類鉄分カルシウムも含まれています。

本当に何も食べられないときの栄養補給に役立つかもしれません。

まとめ

つわりの時に豆腐を食べることについて色々と説明してきましたが、まとめると次の通りです。

 

  • 豆腐は妊娠中に必要な栄養素を含むおすすめの食品
  • 豆腐だけでは足りない栄養素を知り積極的に取った方がよい
  • 豆腐に似た食感の食べ物やその他食べやすいものを試して、食べられるものを増やす

 

ただ、つわりの時に一番大切なのは、決して無理をせずに「食べられるときに、食べられるものを食べる」ことでしょう。

この記事が、みなさんのつわりの症状改善に少しでも役立てれば幸いです。

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