妊娠すると、ほとんどの妊婦さんが経験するのがつわりです。
においが気になったり、食べ物の好みが変わったりと、人によって症状は様々ですが、つわりはつらいですよね……
つわりがひどいと、食べられるものが限られてしまいます。
つわりを経験した妊婦さんに意外と多いのが、「つわりのときもポテトサラダは食べられた」という声。
いったいなぜポテトサラダが食べたくなるのでしょうか。
妊娠中にたくさん食べても大丈夫なのかも気になりますよね。
この記事では、つわりのときにポテトサラダが食べられる理由や、妊婦にオススメの具材などを解説します。
この記事でわかること
・つわりのときにポテトサラダが食べたくなる理由
・じゃがいもの栄養
・ポテトサラダを食べるときの注意点
・ポテトサラダにオススメの具材
つわりのときにポテトサラダが食べたくなる理由
つわりのときにポテトサラダが食べたくなる理由を紹介します。
みんなの声
まずは、実際にポテトサラダが食べたくなった妊婦さん達の声をみてみましょう。
ポテトサラダを食べたくなる妊婦さんは多いですね。では、なぜ食べたくなるのかをみていきます。
ポテトサラダが食べたくなる3つの理由
つわりのときにポテトサラダが食べたくなる理由は下記になります。
・マヨネーズの酸味とクエン酸効果
・味付けがシンプル
・じゃがいもがつわりを軽減
それぞれ説明していきますね。
マヨネーズの酸味とクエン酸効果
マヨネーズの酸味が、つわりのときでもさっぱりと食べやすくしてくれます。
さらにマヨネーズの材料である酢には、酸味のもととなる酢酸やクエン酸が含まれています。
どんな食べ物にも微量ずつ含まれるのがアンモニア。つわりのときに不快に感じるにおいの原因はこのアンモニアです。
マヨネーズに含まれるクエン酸が、アンモニアを分解することで、においが減りつわりが軽減します。
味付けがシンプル
つわりのときには、食べ物や調味料のにおいが気になることが多いです。
ポテトサラダは冷たいのでにおいも少なく、シンプルな味付けなので食べやすいといえます。
じゃがいもがつわりを軽減
じゃがいもにはビタミンB6が含まれます。
つわりを誘発する特定のアミノ酸や、女性ホルモンの代謝をビタミンB6が助けてくれるため、つわりの症状を軽減してくれます。
また、じゃがいもにはマグネシウムも含まれます。妊娠するとマグネシウムが不足することも、つわりを誘発する要因です。
じゃがいもでマグネシウムを補給できることも、つわりを軽減してくれる理由です。
つわりのときにポテトサラダが食べたくなる理由
・マヨネーズの酸味でさっぱり食べられる
・シンプルな味付けでにおいが少なく食べやすい
・マヨネーズのクエン酸と、じゃがいもの成分がつわりを軽減してくれる
妊婦さんに嬉しいじゃがいもの栄養
ポテトサラダのメインの具材であるじゃがいも。じつはじゃがいもには、妊婦さんに嬉しい栄養素が多く含まれています。
詳しくみていきましょう。
じゃがいも100gあたりの主な栄養素は以下になります。
ジャガイモ調理別/ 妊婦推奨 | 食物繊維(g) | 糖質(g) | 葉酸(㎍) | カリウム(mg) | マグネシウム(mg) | ビタミンC(mg) | ビタミンB6(mg) |
皮付 生 | 9.8 | 15.9 | 20 | 420 | 19 | 28 | 0.20 |
皮無 レンジ | 3.5 | 19 | 17 | 430 | 20 | 23 | 0.20 |
乾燥マッシュポテト | 6.6 | 82.8 | 100 | 1,200 | 71 | 5 | 1.01 |
妊婦一日推奨量 | 18 | 50~65 | 480 | 2,000 | 330 | 110 | 1.3 |
参考: 日本食品標準成分表2020年版、厚生労働省日本人の食事摂取基準2020年版
じゃがいもは生で食べることはないので、皮無レンジで調理した場合をみていただくとわかるように、妊婦に必要な栄養素が摂れることがわかります。
おもな栄養素を説明していきますね。
食物繊維で便秘予防
じゃがいもには水溶性と不溶性の2種類の食物繊維が含まれています。
水溶性の食物繊維は水分を含んで便をやわらかくします。
不溶性の食物繊維は善玉菌のエサとなり腸を整えてくれます。
さらに水分を吸収して便のかさを増すことで、腸を刺激して便通をもよおす働きもあります。
妊娠中のマイナートラブルのひとつである便秘。じゃがいもを適度に摂取することで予防できると嬉しいですね。
葉酸でお腹の赤ちゃんに栄養を
じゃがいもにも含まれている「葉酸」 は、お腹の赤ちゃんの神経系の発育に必要な栄養素。
葉酸が不足すると二分脊椎などの発育不全や、流産などのリスクもあがります。
また、葉酸には赤血球をつくる造血の働きもあります。
貧血予防のためにも妊娠中はしっかり葉酸を摂るようにしたいですね。
カリウムでむくみ対策
じゃがいもにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは、体内のナトリウム(塩分) を排出してくれます。
ナトリウムには体内に水分を多く取り入れる働きがあります。つまり塩分のとりすぎはむくみやすくなるということ。
妊娠中はただでさえ体内の水分量が増え、むくみやすい状態です。むくみがあると妊娠高血圧症候群などのリスクもあがります。
カリウムを摂取し、むくみ対策をしましょう。
ビタミンCが豊富
じゃがいもに含まれるビタミンCは、でんぷんに守られているため、熱にも強いという特徴があります。
ビタミンCはコラーゲンの生成に役立ち、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。
また鉄分の吸収を助けるため、鉄分を摂取する際にビタミンCを一緒に摂ることで、貧血予防ができます。
妊娠すると貧血になりやすいため、ビタミンCは妊婦にとって、大切な栄養素といえますね。
ポテトサラダを食べるときに気をつけること
少量食べるのには心配ないですが、つわりでポテトサラダしか食べられない場合、食べすぎが気になりますよね。
ポテトサラダを食べるときに気をつけることを説明します。
マヨネーズの脂質
ポテトサラダは味付けがマヨネーズ。このマヨネーズには脂質が多く含まれるため、カロリーも高くなってしまいます。
カロリーの控えめなマヨネーズを使用するか、ヨーグルトで代用すると、酸味もありカロリーを抑えて食べられます。
ヨーグルトで作るポテトサラダのレシピです。よければ参考にしてみてくださいね。
引用: 榎本美沙の季節料理 【マヨネーズいらず、さっぱり美味しい!】ヨーグルトポテトサラダのレシピ・作り方
じゃがいもの糖質
じゃがいもには糖質が多く含まれているため、食後の血糖値を急激にあげてしまいます。
妊娠中は、血糖値を下げるインスリンというホルモンが効きにくく、糖尿病になりやすい状態です。
とくに妊娠糖尿病のリスクがある妊婦さんは食べる量に注意が必要です。
ポテトサラダを食べたらご飯を控えるなど、他の食事と調整しながらバランスよく食べられるとよいでしょう。
マッシュポテトは注意
乾燥マッシュポテトはじゃがいもをフレーク状にしたもので、牛乳やバターを混ぜて簡単につくれます。
簡単で美味しいのですが、牛乳やバターも加わりカロリーや糖質が高いので妊婦さんは特に注意が必要です。
栄養も多く含まれていますが、気になる糖質量は100gあたり約82.8gです。これはショートケーキ約2個分の糖質量と同じ位なので、かなり高いことがわかりますよね。
妊娠中にマッシュポテトを食べることは、なるべく控えたほうがよいでしょう。
じゃがいもの芽や皮の色に気をつけて
緑色に変色した皮や、じゃがいもから生えているには食中毒を引き起こす「ソラニン」「チャコニン」という成分が多く含まれています。
あやまって食べてしまうと、吐き気や嘔吐、下痢、意識障害などの症状が出るため大変危険です。
緑色に変色した皮は厚めにむき、通常のじゃがいも色になるまで、皮を取り除きましょう。
また、芽は必ず取り除いてください。
保存方法にも注意が必要です。
日光や蛍光灯の光に長期間あたると、じゃがいもの皮は変色しやすくなり、室温が20度以上あると芽が出やすくなります。
じゃがいもを保存するときは、夏場は冷蔵庫の野菜室などに遮光した状態で保管し、夏場以外も涼しくて光のあたらない場所で保管しましょう。
ポテトサラダを食べるときの注意点
・マヨネーズは脂質の少ないものを使う
・じゃがいもの糖質は他の食事とバランスを調整する
・マッシュポテトはなるべく控える
・じゃがいもの緑色の皮や芽は食べちゃダメ
ポテトサラダにオススメの具材
妊婦さんに嬉しい、栄養も入っているオススメの具材を紹介します。
きゅうり
ポテトサラダに定番の具材のきゅうり。きゅうりにはカリウムが豊富なのでむくみ対策や妊娠高血圧症候群などの予防ができます。
ハム
ハムにはビタミンBが入っています。ビタミンBは身体のエネルギー産生に関わっていて、疲労回復などの役割をしてくれます。
また、不足しがちなたんぱく質も摂れます。ただ塩分が多いので、摂りすぎには気をつけましょう。
卵
卵は完全栄養食といわれるほどの優秀な食品です。
良質なたんぱく質だけでなく、ビタミンB、ビタミンD、A、Eも摂取できます。
また、カルシウムや鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも豊富なので、ポテトサラダにゆで卵を入れるとバランスよく栄養がとれます。
りんご
りんごには妊婦さんに嬉しい栄養素のビタミンC、カリウム、水溶性食物繊維が含まれます。
薄く切って混ぜると歯ごたえも感じて、意外と美味しく食べられます。
ツナ
ハムの代わりにツナを入れるのもオススメです。
ツナには良質なたんぱく質や鉄分のほか、DHAの摂取ができます。
DHAは血液をサラサラにしてくれたり、妊娠糖尿病の予防をしてくれたり、お腹の赤ちゃんの脳の発育に必要な栄養素です。
カロリーが気になる場合は、ノンオイルのものを選ぶとよいでしょう。
枝豆
枝豆にはビタミンBやC、カリウム、葉酸やβカロチンも入っています。
βカロチンはお腹の赤ちゃんの発育に必要な栄養素。
冷凍枝豆も売っていますので、きゅうりを切るのが面倒なときに、枝豆を代用するのもよいですね。
他にもポテトサラダはアレンジしやすい料理ですので、妊娠中は栄養バランスを考えて具材を足すなど工夫するとよいでしょう。
まとめ
つわりのときにポテトサラダが食べたくなる理由は、酸味ですっきり食べられ、じゃがいもの栄養やマヨネーズのクエン酸がつわりの症状を軽減してくれるからです。
またじゃがいもには、妊婦に必要な葉酸や食物繊維などの栄養素が入っているので、食事のバランスを考えて、アレンジしながら食べるとよいでしょう。
つわりのときは水分摂取や栄養バランスを心がけ、「食べられるものを食べられるときに、食べられるだけ」を意識して無理なく過ごしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。