妊娠すると、約80%の妊婦につわりがおこるといわれています。
症状には個人差があり、においづわりや吐きづわり、だ液がたくさん出てしまうよだれづわりなど。
特定のものが食べられなくなることもあるため、栄養がかたよることも心配ですよね。
そんなときに優秀なのが味噌汁です。
味噌汁に含まれる栄養素の効果などで、つわりの症状が和らぐことがあります。
さらに味噌汁は、味噌だけでも栄養が満点ですが、具材を変えるだけで様々なアレンジができます。
この記事では妊娠中に味噌汁がよい理由や、オススメの具材などを解説していきます。
味噌汁を飲んでつらいつわりの時期を、栄養を摂りながら乗り越えられるとよいですね。
この記事でわかること
・妊婦が味噌汁を飲むと良い理由
・味噌の栄養
・つわりのときの味噌汁の飲み方
・味噌汁の塩分について
妊婦が味噌汁を飲むと良い理由
味噌汁を飲むとつわりの症状が和らぐことがあります。
その理由は、味噌に含まれるマグネシウムや、温かいものを飲むことが関係しています。
味噌汁がつわりによい理由や、味噌汁の栄養素について説明していきますね。
マグネシウムでつわりを軽減
つわりはおもに、妊娠してホルモンバランスが変化することで起きるといわれています。
ホルモンバランスの影響のほかに、マグネシウム不足などのミネラルバランスの変化も、つわりの原因です。
現代人は慢性的にマグネシウム不足。さらに妊娠するとマグネシウムの必要量が増えるため、必然的にマグネシウムが不足します。
マグネシウムは、体内のカルシウムと拮抗しながら量のバランスを保っています。
しかしマグネシウムが不足すると、バランスが崩れ、体内のカルシウムが多い「高カルシウム血症」という状態になります。
高カルシウム血症になると、倦怠感、食欲不振、吐き気などの、つわりの症状が起こります。
つまり、マグネシウムが不足することはつわりを誘発する原因といえるでしょう。
味噌にはマグネシウムが含まれているため、マグネシウムを補い、つわりの症状を和らげることができます。
身体を温めてマイナートラブル予防
妊娠によるホルモンバランスの変化で、妊娠中はストレスの影響を受けやすくなっています。
ストレスによって自律神経が乱れると、身体が冷えて、つわりの症状だけでなく、むくみなどのマイナートラブルの原因にもなります。
温かい味噌汁を飲むことで、身体を中から温め、つわりだけでなく妊娠中のマイナートラブルを予防できるとよいですね。
味噌汁でつわりが軽減する理由
・味噌汁に含まれるマグネシウムが症状緩和
・身体を温めることで自律神経が落ち着く
味噌の栄養素
昔から「味噌汁は不老長寿のもと」といわれるほど、栄養があり身体によい食べ物です。
代表的な栄養素を説明します。
必須アミノ酸
味噌は大豆で作られているため、植物性のたんぱく質が豊富。
さらに、発酵させることでたんぱく質がアミノ酸に分解され、なんと必須アミノ酸9種類すべてが含まれています。
必須アミノ酸は体内で生成できないため、食事などで摂取する必要があります。
必須アミノ酸は神経伝達物質(アドレナリンなど) の生成や、筋肉や組織を構成するなど、その役割は多いです。
お腹の赤ちゃんの発育にも必要な必須アミノ酸は、妊娠中にしっかり摂りたい栄養素といえますね。
ビタミンが豊富
味噌にはマグネシウムなどのミネラル以外にも、ビタミンB、ビタミンKなど数種類のビタミンが豊富に含まれています。
ビタミンBには葉酸も含まれていて、お腹の赤ちゃんの発育に必要な葉酸の摂取もできます。
食物繊維と乳酸菌
味噌に入っている不溶性食物繊維は、便の排出や腸の調子を整えてくれるため、便秘の予防に役立ちます。
また、発酵食品の味噌には乳酸菌も入っています。乳酸菌は腸内の善玉菌のエサになるため、善玉菌が活性化され、整腸作用が期待できるでしょう。
妊娠中は便秘になりやすいため、便秘の予防になる味噌汁は妊婦さんの味方といえますね。
サポニン
大豆に含まれるサポニンには、抗酸化作用があります。
ストレスや食品添加物、紫外線などのダメージを受けると、体内では「活性酸素」が発生します。
活性酸素は老化や生活習慣病などの原因です。
抗酸化作用のあるサポニンは、体内の活性酸素を減らしてくれる働きがあります。
ほかにも、サポニンは血流改善の効果があるため、冷え対策にもオススメです。
身体が冷えるとつわりも起こりやすいため、味噌汁を飲んで温まりましょう。
味噌の栄養と効果
・赤ちゃんの成長に必要な、必須アミノ酸9種類を補える
・赤ちゃんの成長に必要な葉酸をはじめ、ビタミンミネラルが豊富
・食物繊維や乳酸菌で便秘解消
・サポニンで冷え対策
具材次第でバランスよく栄養摂取ができる
味噌汁は、中の具材を組み合わせると、バランスの取れた一品が出来上がります。
豚肉で豚汁にしたり、野菜をたっぷり入れたり、好きなようにアレンジできるのが味噌汁の魅力の一つですね。
妊娠中はバランスの取れた食事が摂れるのが理想ですが、つわりもあると、そううまくはいきません。
味噌汁なら、食べられる具材を入れれば、味噌の栄養と合わせて摂ることができます。
妊婦にオススメの具材
妊婦にオススメの味噌汁の具材を、それぞれの栄養素と合わせて紹介します。
具材 | 栄養素 |
ほうれん草 | カリウム、鉄分、ビタミンAなどの摂取ができます。食物繊維も豊富なため、便秘予防にも。 |
豆腐 | たんぱく質、サポニン、カルシウムなどが摂取できます。ビタミンBやナイアシンも含み、皮膚や胃腸にも良いです。 |
大根 | ビタミンC、カリウム、食物繊維のほか、消化を助けてくれる酵素が含まれ、つわりの予防にも効果があります。 |
わかめ | マグネシウムやカルシウムなどのミネラル、ビタミンK、食物繊維が豊富。 |
あさり | カルシウム、カリウム、亜鉛、鉄、ビタミンB12が摂取できます。 |
ほかにも、トマトやキャベツなど、食べたいものを入れてアレンジしてもよいでしょう。
また、野菜を煮たときに出たビタミンやミネラルも、汁ごと摂取できるのところも味噌汁は優秀といえますね。
妊娠中でも作るのが簡単
つわりのときは、料理を作るのも大変ですよね。味噌汁は鍋に材料を入れて煮込むだけなので、簡単に作れます。
野菜を切るのが面倒なときは、カット野菜の使用や、お湯を注ぐだけの即席味噌汁をうまく利用するのもよいでしょう。
みんなの声
味噌汁でつわりが軽減した場合と、反対につわりのときは味噌汁が飲めなかったという声があります。
つわりのときに味噌汁を飲んだママたちの声をみてみましょう。
味噌汁でつわりが軽減した
味噌汁を飲んでつわりの症状が和らいだ、つわりでも味噌汁は飲めた、という声から紹介します。
実際に味噌汁で身体が温まり、つわりが和らいだ例ですね。
つわりで具材が食べられなくても、具なしの味噌汁でも味噌とだしから栄養が摂れます。
濃いめの味噌汁が飲みやすい場合もあります。塩分が気になる場合は出汁を濃いめにするとよいでしょう。
つわりで味噌汁が飲めなかった
逆に、つわりのときは味噌汁が飲めなくなったという声もあります。
かつお節や顆粒出汁などのにおいで、吐き気を誘発してしまう場合もあります。
栄養があるのはわかっていても、一切飲めなくなることもあります。
つわりがピークのときは飲めなくても、つわりが落ち着くと美味しく感じてまた飲める場合もあります。
つわりのピークが過ぎ、味噌汁が飲めるようになったら、栄養を摂るためにもぜひメニューに取り入れたいですね。
つわりのときの味噌汁の飲み方や塩分について
つわりのときの味噌汁の飲み方や、気になる塩分について説明していきますね。
においが気になるときは冷まして飲む
温めるとにおいがでやすくなります。
食品には微量にアンモニアが含まれています。食品を温めることでアンモニアが気化し、においに含まれるため、つわりを誘発してしまいます。
においが受けつけない場合は、冷ましてから飲むとよいでしょう。
意外と塩分は少ない
味噌汁で気になるのが塩分ですよね。じつは味噌汁の塩分はそれほど多くありません。
味噌汁1杯に含まれる塩分は約1.2gです。厚生労働省が推奨する妊婦さんの1日の塩分摂取量は6.5g未満。
メニューに味噌汁を1杯飲む程度では塩分の摂りすぎにはなりません。
ちなみにカップラーメンは1杯約4.8gと、塩分が多いのがわかりますね。
それでも味噌汁の塩分が気になる場合は、身体の塩分の排出を促してくれるカリウムが入った野菜を具材に入れるとよいでしょう。
カリウムの多い具材は、ほうれん草、人参、イモ類、豆腐など。
また、出汁を濃いめにとるのも塩分を控えて味を濃くするポイントです。
ただ、顆粒出汁やだしパックなどには、塩が含まれる場合があるので、原材料を確認するようにしましょう。
朝に飲むのがオススメ
「みそは朝の毒消し」 ということわざがあるように、味噌汁は朝に飲むのがオススメです。
朝温かい味噌汁を飲むことで、内臓から温まり身体の働きを整えてくれます。
また、味噌汁に含まれるトリプトファンを朝に摂取することで、日中にトリプトファンが「セロトニン」 となります。
日中つくられたセロトニンが、睡眠に大切なホルモンの「メラトニン」 になるため、睡眠が質向上するのはうれしい作用ですね。
以上のことからも、可能であれば朝に味噌汁を飲むことをオススメします。
つわりのときの味噌汁の飲み方や塩分について
・においが気になるときは冷まして飲む
・1日1杯程度なら塩分は摂りすぎにならない
・朝に飲むのがオススメ
まとめ
味噌汁は妊娠中に必要な栄養が摂取でき、つわりの症状も和らげる効果があることがわかりました。
つわりの症状は個人差があり、なかには味噌汁を受けつけない人もいるでしょう。そんな場合は冷まして飲むなどし、つわりのピークが過ぎてから食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
つわりは12~16週ころには治まることが多いです。つらい時期を味噌汁パワーで乗り切れるとよいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。