「2人目はどうするの?」
初めての育児に追われてバタバタの日々の中、親や親戚から聞かれがちなこの質問。「正直、日々の生活にいっぱいいっぱいでそんなこと考えてる暇ないんですけど!?」と心の中で叫びつつ、笑顔で誤魔化した経験のある方も少なくないのではないでしょうか。
特に、家庭環境やパパの仕事の都合などでワンオペ育児を余儀なくされているママにとっては死活問題ですよね。「1人でも大変なのに2人目なんて大丈夫なの?」「でも、きょうだいがいた方がこの子にはいいのかな?」などなど、考え始めるとつい迷宮入りしてしまいそうになります。
そこでこの記事では、
- ワンオペ2人育児、先輩ママの体験談
- 兄弟姉妹はいた方がいい?一人っ子は可哀想?
- 大変さは年の差次第?
- 夫婦で話し合うときのコツ
- ワンオペ2人育児をこなすためのポイント
などについてお伝えしていきます。
子どもの人数も育て方も、家庭によって様々。正解なんてありません。ワンオペ2人育児に不安を抱えているママさんのお悩みを解決するヒントがこの記事を通して見つかりますように!
ワンオペ育児で2人目ってどんな感じ?先輩ママの体験談
いざ2人目をどうするか考えようというときに、気になるのが「実際に2人目が生まれたらどんな生活になるんだろう?」ということ。今でさえワンオペで家事育児に追われる毎日なのに、これ以上なんて想像がつきませんよね。
公益財団法人1 more Baby応援団の調査によれば、「『2人目の壁』は存在すると思う/どちらかといえば存在すると思う」割合は2022年度で75.8%。「出産をして理想の子どもの人数が減少した」と答えた方の中で、「ワンオペ育児で、これ以上の子育ては無理だと思った」方の割合は36.1%に上ります。
やはりワンオペ育児で負担を感じて、2人目以降を考え直すという人も少なくないようです。
実際にワンオペ2人育児を経験した先輩ママさんたちのコメントがこちら。
2人目の余裕が垣間見えるコメントもあれば、ワンオペ2人育児でのお風呂や寝かしつけがいかに難易度の高いタスクであるかがわかるコメントも。「2人目を産んでから1年くらい記憶がない」という言葉には共感しかありません。
私自身も夫の仕事の関係上、ほぼワンオペ2人育児で子どもたちの幼少期を乗り切ってきた身ですが、どう乗り切ったのかほんとに記憶がない。ただただ毎日必死で戦争のようだったことだけ覚えています。
人間やってやれないことはないけれど、ワンオペ2人育児にはそれ相応の覚悟がいるということだけはお知りおきくださいね……!
やっぱりきょうだいは必要?一人っ子は可哀想?
2人目について考えるとき、多くの人が行き当たるのが「子どもにはきょうだいがいた方がいいのかな?」という疑問ですよね。「1人育てるのに精一杯で、2人目はもういいかな……」と思う反面、「でもこの子は一人っ子だと寂しく思うかも……」と悩むママさんは多いようです。
自分にはきょうだいがいて楽しかったから子どもにもきょうだいを作ってあげたいという人、逆に嫌な思いをしたから一人っ子でいいという人、一人っ子できょうだいに憧れていたという人など、これはそれぞれの環境によって意見が分かれるところでもあります。
ですがここで重要なのは、「子どもが寂しいと思うかもしれない」「子どもにとって楽しいだろう」という憶測ではなく、実際に今の経済状況や育児環境、周囲の協力を得られるのかなどを具体的に考えた上で、ママ自身が2人目を育てたいと思うのかどうかということです。
子を持つということは、その子1人分の人生を預かるということ。「きっときょうだいがいた方がこの子にとってはいいだろう」と思って2人目を産んだとしても、経済的な理由や環境的な要因で我が子たちがつらい思いをして「きょうだいなんていない方がよかった」となっては本末転倒ですよね。
きょうだいがいてよかったと思う環境も、一人っ子でよかったと思う環境も、作ってあげられるのは親であるママとパパです。
「一人っ子じゃ可哀想なんじゃない?」と言ってくる人がいたとしても、それはその人の主観であると割り切って、我が家にとってはどうするのが最善かを考えてみてくださいね。
決して「子どものために」とママが無理をする必要はありません。ママが「こうしたい」と思える選択をすれば、きっとお子さんたちが「きょうだいがいてよかった」「一人っ子でよかった」と思える環境に繋がります。
2人目を考えるときには年の差も重要
きょうだいといえば「年の差」も重要なポイントです。
3つ違いだと中学・高校の卒入学式が被る、6つ離れると小学校が入れ替わりになって計12年もPTA活動や愛護班活動に携わる羽目になるなど、親としても負担が大きく中々に切実な問題が待ち受けています。
子どもは授かりものですし完璧にコントロールするというわけにはいきませんが、ある程度の計画性を持って考えたいところですよね。ましてワンオペ2人育児ともなると尚更。
我が家の場合、「夫は交代制勤務のため生活時間がズレている+家にいない時間が長く家事育児の手助けは望めない」&「頼りにできる実家はなし」状態でのワンオペ年子育児でしたが、まあ大変でした。前述の通り、もはやどう乗り切ったのか記憶がないレベルです。
「年子は赤ちゃん返りもないし、一気に子育てが終わるからいいよね」なんて意見もありますが、私個人の感想としては「赤ちゃん返りがないとかじゃなく、どっちもまだ赤ちゃん状態だから地獄を見た」という感じでしょうか……。
もちろん赤ちゃんの性格やママのキャパシティにもよりますし、年が近い分、双子のように仲良く遊んでくれて助かるという家庭もあるのでケースバイケースですが(ちなみにうちの年子ちゃんズは日々喧嘩が絶えません!笑)、ワンオペでの年子育児には通常以上の体力と忍耐が必要であると言えるかもしれません。
というより、まず夫や家族の援助が望めないワンオペ育児である時点で、ママは人一倍の体力と忍耐、そして精神力を酷使しています。各家庭、様々な事情でどうしてもワンオペ育児にならざるを得ない状況があると思いますが、せめて2人目以降については、そういった点も考慮しつつ、ママが少しでもしんどくない方向性を探っていきましょう。
参考までに、各年齢差ごとのメリットやデメリットはこちら。
メリット | デメリット | |
1歳差 | ・子育て期間が短い ・年齢が近いので同じ遊びができる |
・赤ちゃんが2人状態になる ・卒業&入学が連続するので教育費が一気に嵩む |
2歳差 |
・服やおもちゃが綺麗なうちにおさがりにできる |
・上の子のイヤイヤ期と被る |
3歳差 | ・下の子に手をかけてあげる余裕ができる ・上の子がお手本になってくれる |
・進学時期が被る(高校&中学、大学&高校)ので教育費が嵩む |
6歳差 | ・上の子がだいぶ自立しているので手がかからない ・下の子の面倒を見たり協力してくれる |
・子育て期間が長くなる ・進学時期が被る(中学&小学校、大学&中学)ので教育費が嵩む |
年齢差が開くほど、上の子にそこまで手がかからず下の子にしっかり向き合える反面、子育て期間が長くなり体力的に厳しくなってくるという意見も。年齢差がない場合、子育て期間は短く済みますが、子どもの進学などに関わる大きな支出が短期間で発生することになるため、教育資金の積み立てなど家計の管理が重要になります。
ワンオペ育児状態で2人目について悩んでいる場合、子どもの年の差も含め、長期的なスパンでの家族計画を考えてみることをおすすめします。
2人目どうする?夫婦で話し合うときのコツ
2人目をどうするか話し合ってみて、諸々を考えた上で私はまだいいと思っているけど、夫は「そろそろほしい」と言って聞かない……というママのお悩みもよく見かけます。
「結局育てるのは私なのに、簡単に言わないでよ!」と怒鳴りたくなりますが、いまいち男性には実感として伝わりにくく、喧嘩になってしまったり……。ただでさえワンオペ育児で疲弊しているところで更にそんな言い合いになってしまうと、本当にしんどいですよね。
そんな事態を防ぐためのコツはずばり具体的な条件を提示すること。
- 2人目を妊娠した場合、つわり期など体調によっては食事作りが夫の役割になる
- 出産時及び産後しばらくは、上の子のお世話を夫メインでしてもらわなければならない
- 育児休暇は取得できるのか
- ワンオペだとどうしてもどちらか1人を泣かせた状態のまま、もう1人のお世話をするような場面も出てくるがどう思うのか
- ワンオペで2人の育児をすることになるなら、最低限この家事とこの家事は夫の役割にしてほしい
などなど、できる限り具体的に、もし2人目を授かった場合に夫が担う役割などを明確化して伝えてみてください。この先必要な教育費の試算やライフプランなどを簡単な図にして見せてみるのも効果的です。
漠然とした「大変さ」「しんどさ」を訴えても伝わりにくい育児の負担ですが、具体例を挙げて「この条件でならワンオペで2人育児もできる」「こういう状況だとできない」とはっきり説明することで、お互いに納得できる結論を導きやすくなります。
夫婦の話し合いで行き詰ってしまったときには、ぜひ試してみてくださいね。
ワンオペ2人育児を乗り切るためのポイント
続いて、そうはいってもやっぱり、どんなに条件付けをしたところで大変な事には変わりないワンオペ2人育児を乗り切るためのポイントをお伝えします。
完璧を求めない
育児に家事に、ただでさえ自分の時間も思うように取れず慌ただしい日々。理想はアニメや小説の世界のようないつもニコニコ穏やかな家族の姿かもしれませんが、現実は毎日戦いです。怒って泣いて疲れ果てて、積み上がった洗濯物の山と洗い物の山……みんなそんな感じです。大丈夫!
思うように家事が進まなかったり、育児に手こずったり、ワンオペだと頼れるところもなく尚更自己嫌悪に陥りがちですが、「最低限の生活ラインさえ死守できていればOK」と思うようにすると少し楽になります。
「綺麗に畳んで収納しなくても、とりあえず洗濯して干して乾かしたからOK」「お風呂やごはんでぐずって寝るのが遅くなっちゃったりしたけど、とりあえず今日も2人が元気で1日を乗り越えられたからOK」という風に、できなかったことよりもできたこと、無事に終えられたことをカウントしていきましょう。家事も育児も完璧じゃなくてOKです。
子どもは意外とたくましい
ワンオペ2人育児をしていると、お風呂や寝かしつけなど、どうしてもどちらか一方のお世話をしている間もう一方の子には待っていてもらわなくてはならない場面があります。お風呂で上の子をさっと洗う間、下の子は浴室の外でギャン泣き待機していたり……。
どうしようもないとはいえ、こんなに泣かせてて大丈夫なのかなと心配になったりしますが、意外と子どもたちはたくましいものです。適宜声を掛けて様子を見る必要はありますが、ケガをしたりする恐れのない安全な状況であれば、「少々泣かせておいても大丈夫、いい運動代わり」と焦らずママのペースでお世話していきましょう。
先輩ママのコメントにもありましたが、生まれてしばらくの間、下の子は基本的に寝ているか泣いているかになりますので、お世話は上の子優先でOK。
ワンオペ2人育児がつらい理由の一つに「上の子と下の子で生活リズムが違うから」というのがありますが、上の子の就寝時間に合わせて下の子の授乳時間を調整するなど、なるべく上の子に寄り添うことを意識してあげると上の子の気持ちも落ち着きやすく、ママの罪悪感も減らすことができます。
使えるものは何でも使う
ワンオペ2人育児の要であるママの気力・体力を温存するために、使えるものは何でも使っていきましょう。家事の手間を減らせる便利グッズやミールキット、預かり保育などの行政支援に休日の旦那。家事を楽にするのは手抜きではなく効率化、子どもを預けて息抜きをするのはママの当然の権利です。
親である以上、子どもたちが幸せで安全に成長していける環境を整えることは義務ですが、何もママの人生を全て費やす必要はありません。ママ自身の人生も大切にしながら、子どもたちがこれから自分の人生を形作っていくための土台作りを後押ししていきたいですね。
ママが豊かな人生を送ることが子どもたちにとって何よりのお手本。手抜きなのではなんて後ろめたく思ったりせず、使えるものは遠慮なく使って上手に負担を軽減していきましょう。
ワンオペ2人育児ママにおすすめのお助けサービス
記憶がなくなっちゃうくらいとにかく忙しいワンオペ2人育児ママにとって、いかに家事負担を減らせるかというのはかなり重要なポイントですよね。そんなママにおすすめの家事時短ができるサービスがこちら。
PAKU MOGU
小さいお子さん向けのメニューが豊富なミールキット。カット済み・下ごしらえ済みの食材と調味料、レシピが家に届き、約15分の時短調理で主菜と副菜を完成させることができます。家事の中でも負担の大きい食事作りが一気に楽になりますね。
コープ(生協)
食料品から日用品、冷凍食品やミールキットも注文できるコープの宅配。ワンオペ2人育児では近所のスーパーへ買い物に行くだけでも本当に大変です。宅配を活用すればこの買い物ストレスを減らせる上、時間にも余裕ができるので大助かり。
コープでは妊娠中の方や子育て世帯を対象とした配達手数料の割引制度もあるので、ワンオペ2人育児ママにおすすめです。
キッズライン
キッズラインは、全国47都道府県、様々なスキルを持ったベビーシッターや家事サポーターと依頼者とのマッチングをしてくれるサービス。入会金・登録料無料で、自身の予算に合わせてスマホで簡単に予約することができます。
産前産後の家事・育児サポートや病児保育、水回りの掃除や料理の作り置きなどの家事代行も依頼できるので、いざというときのための保険として登録しておくと安心。ワンオペ2人育児ママが「もう限界!」となったときの防波堤にもなりますね。
自治体の補助や会社の福利厚生制度で割引を利用できるところもあるので、ぜひ一度確認してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
頼れるところのないワンオペ育児は孤独感を感じることも多く、ママは本当につらいですよね。そんな状態で2人目をどうするか、周りは簡単に言うけれど、ママにとってはとてもあっさり割り切れるような問題ではありません。
- ワンオペ2人育児は記憶がないくらい大変
- 2人目の余裕で楽しめる場合もある
- きょうだいがいてよかった/一人っ子でよかったと思う環境を作るのはママとパパ
- 年の差や経済状況も考慮して結論を
- 夫婦で話し合うときには具体案を出す
- ワンオペ2人育児は完璧じゃなくてもOK
- 頼れるサービスはどんどん使ってママの負担を減らそう!
子どもを育てるということは、体力的にも精神的にも経済的にも本当に大変な重責です。夫婦でしっかり話し合いライフプランを立てて、家族みんなが笑っていられる選択を考えていきましょう。