妊娠中のつわり期間では、匂いに敏感になったり吐き気が起こったりするため、一気に食欲が落ちてしまう方が多いです。
食欲どころか、飲み物さえも受け付けずに、何も口にできなくてお困りの方もいるでしょう。
そんな中で、「牛乳だけは美味しく飲める。」という方や、「牛乳を飲むと症状が落ち着く気がする。」という方も一定数いらっしゃるようです。
一方で「妊娠中に飲んでも大丈夫かな？」「飲みすぎも良くないかな？」などと不安になることもありますよね？
妊娠中に牛乳を飲むことは、妊婦や胎児にとって良い影響を及ぼすため、推奨されています。
また、「妊娠してから牛乳が苦手になった」「つわりが重くて栄養がとれない。」という方もいらっしゃるでしょう。
牛乳以外にもつわり期の妊婦さんにおすすめの飲み物や、飲みやすいといわれているものがあるんです。
そこで本記事では、
・妊娠中に牛乳を飲んでもよい理由
・つわりを軽減する飲み物
・お勧めの牛乳アレンジレシピ
・妊娠中に避けたほうが良い飲み物
・先輩妊婦がハマった飲み物
をお伝えします。
妊娠中に牛乳を飲んでも大丈夫？
妊娠中に牛乳を飲んでも問題はない。
一番気になることは、自分の摂取するものが生まれてくる赤ちゃんにどう影響するかということですよね。
妊娠中に牛乳を飲むことで、胎児に悪影響があることは特にありません。
それどころか、牛乳に多く含まれているカルシウムは、赤ちゃんの骨や歯、血液の成分に重要な栄養素です。
生まれてくる子のために多くの栄養が必要な妊婦さんにとって、心強い味方となるのではないでしょうか。
また、乳幼児に牛乳アレルギーが多いことから摂取を躊躇ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、妊婦が牛乳を摂取することで、胎児が牛乳アレルギーになってしまうという報告は今のところありません。
医学的研究では、妊婦が特定の食べ物を避けることは、アレルギー対策とはならず、妊婦の栄養状態に悪影響を及ぼすとされています。
赤ちゃんがお腹の中にいる間は、アレルギー対策に力を入れるよりも、より多くの栄養を届けることに専念したほうがよさそうです。
ついつい慎重になってしまいがちですが、あまり神経質になるのもよくないんでしょうね。
炭水化物や脂質・タンパク質の三大栄養素をバランス良く含んでいる牛乳は、妊婦にとって効率的な栄養ドリンクとなるでしょう。
牛乳を飲む際の注意点
牛乳に限らずですが、飲む際に注意することは、摂取量を守ることです。
一日1～2杯が適量であると言われています。
妊娠中に大事なことは、いかにストレスなく、栄養を摂取するかです。
この時期に、牛乳を美味しいと感じるのであれば、積極的に摂取していきましょう。
しかし、いくら美味しいからと言って摂取し過ぎるのは当然よくありません。
牛乳はコップ1杯(200ml)で138kcal、脂質は7.8g含まれています。
お茶碗に軽めによそったご飯のカロリーが約150kcal、サラダ油大さじ約1/2杯の脂質が7gというのですから、牛乳1杯でこれらに相当するカロリー・脂質を摂取しているということになります。
ちょっと怖いですね。無意識に何杯も飲んでしまうと、大変なカロリーオーバーとなりそうです。
牛乳に限らず、栄養価の高いものは摂取量が過ぎるとカロリー・脂質過多となりやすいので、気を付けましょう。
適量の範囲であれば、問題はありません。
牛乳はつわりの軽減に効果があるのか？
牛乳につわり軽減効果はない。
栄養豊富な牛乳ですが、つわりを軽減する効果があるという報告はなく、牛乳の成分とつわりの軽減の間に因果関係はありません。
しかし、妊婦さんの中には、牛乳を飲むことでつわりが楽になったと感じている方もいます。
このように、吐いたときの辛さが牛乳で軽減されることがあるようです。
つわりの症状には個人差がありますが、吐きづわりでは食欲が落ち、何も食べられないのに吐き気がするため、吐く度に粘膜を傷つけてしまいます。
吐くたびにヒリヒリとした痛みが、喉や胃に走ると想像しただけでも辛いですよね。
牛乳には、胃に膜を張ることで胃酸を薄める働きがあるため、吐いた時の胃痛の軽減に役立ちます。
また、何も飲まずに胃酸を吐いてしまうよりは、牛乳を吐いてしまうほうが、吐いたときの不快感も変わってくるでしょう。
つわりではありませんが、私はノロウイルスにかかった際に、胃液以外には吐き出すものがなかったので、毎回血がでるんじゃないかと思いました・・・。
妊婦でなくても、食べすぎたり飲みすぎて胃がムカムカした時に、牛乳を飲むと痛みが軽減された経験がある方もいるのではないでしょうか？
胃にやさしい牛乳は、吐きづわりが辛いときに積極的に摂取していきたいですね。
牛乳以外にもある！栄養豊富な食べ物
妊娠して、これまで以上に牛乳が美味しく感じる方がいる一方で、匂いから受け付けなくなる方もいます。
それでも、「牛乳は栄養があるから飲まなきゃ！」と何とかして飲もうとしている方もいらっしゃるかもしれません。
そのような無理をする必要は全くありません！！
他の飲み物・食品で補えばよいからです。
例えば、牛乳に最も豊富に含まれるカルシウムは
・小松菜
・焼き豆腐
・ワカサギ
などでも摂取できます。
干しエビに至っては、大匙1/2杯で牛乳1杯に相当するカルシウムが含まれています。
牛乳以外にも栄養豊富なものはたくさんあります。
身体が受け付けるものを探していきましょう！
牛乳以外でつわりを軽減する飲み物
何かを口にするのも辛いつわりの時期は、水分不足に陥りがちです。
また、嗜好も変化しやすくなっているので、牛乳以外にも飲みやすいものがあるといいですよね。
他に妊婦さんにお勧めの飲み物は、主に以下の3つです。
・生姜湯
・炭酸水
・100%ジュース
生姜には吐き気を止める作用があると言われています。
つわりの治療薬として処方されているビタミンB6と同程度の効果があることが、臨床試験で確認されています。
水分補給をしながら、つわりの症状を軽減させたいという方にお勧めです。
また、食べられないことで空腹感にお悩みの方は、炭酸水を試してみるのもよいでしょう。
炭酸水に含まれる炭酸ガスが胃の中で拡大し、満腹感を得やすくなります。
食前に炭酸水を飲むダイエット方法もあるくらいですし、辛い空腹感が少しは紛れるかもしれません。
その他、お好みの100%ジュースで、乗り切った妊婦さんも多いようです。
ジュースならたくさんの味がありますし、美味しく手軽に摂取できるのでいいですよね。
100%ジュースにすることで余分な糖分を抑えて、効率的に栄養を摂取することができます。
牛乳が飲めない方も是非お試しください！
つわりが辛いときは、何も食べずに休んだっていい
吐き気が強いときは、いくら栄養があるといわれても、何も摂取したくないですよね。
ホルモンバランスが変化して、今までは何ともなかった日常の匂いに敏感になり、味覚も変化するのだから当然です。
何もせずに、ゆっくり休んだって良いのです。
それにも関わらず、これから生まれてくる子の母親として、またパートナーである旦那さんのために、
「無理をしてでも栄養をとらなきゃ！」
「寝てばかりいないで、家事をこなさなきゃ！」
と頑張っておられる方も多いでしょう。
ある調査では、
・妊娠初期に悪阻や吐きづわりでほとんど食事がとれていなかった妊婦の赤ちゃん
・それらがなかった妊婦の赤ちゃん
両者の出生時の体重にはほとんど差がないことが分かっています。
つわりの時期には、ある程度の水分がとれていて、何らかのものが食べられていれば、特に胎児に影響はないのです。
旦那さんに関しては、あなたが守るべき子供ではなく、支えあうパートナーです。
つわり期間中の家事は、お願いしてもよいのではないでしょうか？
寝ている間にもあなたはお腹の赤ちゃんを育てるという、大事な仕事をしています。
何も摂取できないときは、無理をせずに休んで、エネルギー温存といきましょう。
お勧め牛乳レシピ
つわり期間中に美味しく飲める飲み物があることはとても良いことです！
今まで通り、そのまま飲むのももちろん良いのですが、今回はより美味しく飲めるように、ひと手間アレンジを加えた牛乳レシピをご紹介します！
牛乳×はちみつ
甘いものが好きな方にお勧めです！
はちみつは甘味を感じやすいので、少量で満足でき、糖分を抑えながら飲むことができます。
5分くらいあれば作れそうな簡単レシピです。
優しい甘さが欲しいときにいかがでしょうか？
牛乳×生姜
妊娠中はホルモンバランスの変化で体温調節がうまくいかずに、身体が冷えやすくなります。
冷えはつわりを悪化させますので、身体を温めることは重要です！
冷えが気になる方は、寒い冬の強い味方である生姜を取り入れると良いでしょう。
生姜はすぐに身体がポカポカと温まり、幸せな気持ちになりますよね。
簡単に作れるので、是非試してみてください。
牛乳×黒糖
「糖分の過剰摂取が良くないのは分かっているけれど、やっぱりお砂糖が好き！」という方！！
お気持ち、よく分かります。（笑）
そんな方は、ミネラルも含まれている黒糖を取り入れてみてはいかかでしょうか？
白砂糖に比べて栄養豊富な黒糖。
妊娠中の栄養補給にもいいですね！
牛乳×きな粉
きな粉のたんぱく質やカルシウムで栄養をプラスしましょう！
食物繊維は、便通改善や肌荒れの予防に効果的と言われています。
何かとストレスフルな妊娠中、頼りにできそうですね！
牛乳×ジャム
ジャムを加えることで、いつもの牛乳がちょっとしたデザートに変身します。
今日はどの味にしようか選ぶのも楽しいですね！
画像はイチゴジャムを使用したレシピです。
見た目もピンク色で可愛くて、気分があがりますね！
妊娠中に避けたほうが良い飲み物
牛乳は、妊娠中に飲んでも害はありませんが、中には避けたほうが良い飲み物もあります。
それは以下の成分を含むものです。
妊娠中に避けたほうが良い飲み物
・アルコール
・カフェイン
・子宮収縮作用のあるもの
詳しく解説します！
アルコール
アルコールを摂取すると、胎児に様々な悪影響を来します。
妊娠中はもちろん、産後もしばらくはお酒を控えたほうがよいです。
アルコールが胎児に及ぼす影響として、
・特異的顔貌(薄い上口唇、平坦な人中、平坦な顔面中央)
・発達遅滞(低体重、体重増加の遅れ)
・中枢神経系の障害(頭蓋が小さい、脳の欠損、運動障害など）
・精神的問題(ADHDや鬱など）
が挙げられます。
アルコールに含まれるエタノールや代謝産物であるアルデヒトが、胎盤を通じて胎児の細胞に届くことで、これらの悪影響を及ぼすのです。
女性アルコール依存症者の子供に対する研究では、妊娠中に飲酒したケースの30%に発育不良などの悪影響が出現したことが報告されています。
妊娠中の飲酒は絶対に控えましょう。
カフェイン
カフェインは、過剰摂取によって胎児の発育不良や、妊婦の不調に影響を及ぼします。
そのため、
・コーヒー
・エナジードリンク
・緑茶
などは摂取を控えたほうが良い飲みものです。
カフェインには交換神経を刺激する作用があります。
交感神経が優位になると、身体はいわゆる”闘争モード”に入るのです。
皆さんは、学生時代の試験勉強時などに、カフェインの多いエナジードドリンクを飲んで、乗り切った経験はないでしょうか？
エナジードリンクを摂取すると、覚醒して基礎代謝が亢進し、心臓の鼓動が早くなります。
その作用が、小さな胎児にそのまま影響を与えてしまうのです。
一日1～2杯ほどであれば摂取しても大丈夫と言われていますので、コーヒー好きの方は過剰摂取に注意して楽しみましょう。
子宮収縮作用のあるもの
子宮収縮作用のある以下のハーブティーなどは、過剰摂取はNGです。
・カモミール
・シナモン
・ジャスミン
・ハト麦
・ローズマリー
・レモングラス
ハーブティーは元来、病気の緩和・治療目的に調合されているので、中には毒性の強いものもあり、流産や出血のリスクが高まってしまいます。
市販のものにも、色々な効用があり、選ぶのを迷ってしまうくらいですよね。
飲みたくなった際は、成分に留意しながら適量を守りましょう。
先輩妊婦が語る！つわり中にハマった飲み物
辛いつわり期間中、美味しく感じる飲み物は人それぞれのようです。
先輩妊婦はどのような飲み物を楽しんでいたのでしょうか？
牛乳が飲めない方も是非参考にしてくだい！
これは飲めたよ！先輩ママが飲んでいた飲み物ランキング
先輩ママが飲んでいた飲み物は、以下の通りになっています。
| 1位 | 炭酸水 |
| 2位 | 100%ジュース |
| 3位 | 水 |
| 4位 | 炭酸飲料 |
| 5位 | スポーツドリンク |
引用：コレでつわり軽減！食べ物・飲み物ランキング。先輩ママが食べれたもの | kosodate LIFE（子育てライフ）
つわり軽減効果があると紹介した炭酸水や100％ジュースが上位にランクインしていますね。
柑橘風味のものを選ぶと、更に爽快感が増してスッキリします。
味があると気持ちが悪くなってしまう方は、無理せずお水で水分を摂取しています。寒い冬には白湯にしてもいいですね。
吐きづわりの方は、電解質を補えるスポーツドリンクが飲みやすいでしょう。
他にもコーラやサイダーなど、普段は飲まないものが飲みたくなる方もいます。
その他、意外とはまった飲み物
つわりの症状に人それぞれ個人差があるように、身体が受け付ける飲み物も様々です。
ランキング内に飲める物がない方も安心してください。
その他、カルピスや適量のカフェオレを飲んでいる方もいらっしゃいました！皆さん試行錯誤しながら、水分を摂取していますね。
牛乳を含め、妊娠中にお勧めされている定番ドリンクも受け付けないときは、思い切って今まで試したことのない飲み物に手を出してみるのもいいでしょう。
まとめ
本記事では
・妊娠中に牛乳を飲んでも良いのか。
・つわり軽減効果のある飲み物
・お勧めの牛乳アレンジレシピ
・妊娠中に避けたほうが良い飲み物
・先輩妊婦がはまった飲み物
などについて紹介しました。
美味しいと感じられるもので栄養補給をすることで、辛いつわり期間が少しでも快適なものになりますように。