つわりのときは、今まで食べられていたものが食べられなくなることが多いです。逆に食べられるようになることもあるでしょう。
つわりのときに「トマトジュースは飲めた」という妊婦さんは意外と多いです。
妊娠中にトマトジュースを飲んでも大丈夫か心配な妊婦さんもいると思います。
結論からいうと、妊娠中でもトマトジュースを飲んで大丈夫です。
じつはトマトジュースには栄養もあり、妊婦さんやお腹の赤ちゃんにもうれしい効果がたくさんあります。
妊婦さんにうれしいトマトジュースの効果や、飲むときの注意点などをみてみましょう。
この記事でわかること
・トマトジュースを飲むときの注意点
・トマトジュースの効果
・妊娠中にトマトジュースを飲んでいたみんなの声
・トマトジュースアレンジレシピ
・トマトジュース以外でつわりのときにおすすめの飲み物
妊娠中にトマトジュースを飲むときの注意点
妊娠中にトマトジュースを飲むのが心配な妊婦さんもいるでしょう。トマトジュースを飲むときの注意点を説明します。
無塩のトマトジュースを選ぶ
妊娠中にトマトジュースを飲んでも大丈夫ですが、心配になる理由は塩分の摂りすぎによる妊娠高血圧症候群ではないでしょうか。
トマトジュースには加塩と無塩があり、加塩のトマトジュースには、塩分がコップ1杯約2.4gも含まれています。
妊婦さんの塩分1日摂取量は6.5g未満です。食事などに含まれる塩分量を考えると、加塩のトマトジュースでは塩分の摂りすぎになってしまいます。
塩分を摂りすぎるとむくみの原因になり、妊娠高血圧症候群になるリスクが上がります。
妊娠高血圧症候群になると、胎児発育不全や常位胎盤早期剝離といった、お腹の赤ちゃんとママの生命にも関わる合併症の原因になることがあります。
そのため、妊娠中の塩分は必要以上に摂取しないことが大切といえるでしょう。
トマトジュースを飲むときは無塩のものを選んで飲むようにしましょう。
1日コップ1杯程度にする
トマトジュースの1日摂取量はコップ1杯(200ml)程度がよいでしょう。
からだに良いからといってたくさん飲むと良いわけではありません。
コップ1杯の糖質量は8g程度で、そんなに多くはありませんが、飲み過ぎると糖質の摂りすぎになります。
また、妊娠中に必要なたんぱく質などの栄養はほぼないため、他の食事とバランスよく摂ることが大切です。
また、トマトはからだを冷やす効果があるため、妊婦さんの飲み過ぎには注意が必要です。
トマトジュースを飲むときの注意点
・無塩のものを飲む
・1日コップ1杯程度にし、食事とバランスを考えて飲む
つわりでも飲めるトマトジュースの効果
つわりのときでも飲める理由や、トマトジュースの効果をみてみましょう。
酸味でさっぱり
トマトジュースにはほどよい酸味があります。酸味でさっぱりすることがつわりのときでも飲める理由です。
また、つわりのときは、飲み物の甘さが口の中に残ると気持ち悪いという場合が多く、甘くないトマトジュースが飲みやすいといえます。
妊婦さんにうれしい効果
トマトジュースには下記の栄養が含まれています。それぞれの効果をみていきましょう。
トマトジュースコップ1杯(200g)あたりの栄養素
カリウム(mg) | βカロチン(㎍) | ビタミンC(mg) | リコピン(mg) | 葉酸(㎍) | 炭水化物(g) | |
トマトジュース | 520 | 620 | 12 | 20 | 34 | 8 |
妊婦1日推奨量 | 2,000 | ビタミンAとして | 110 | ー | 480 | 糖質として |
中期まで:650-700 後期:720-780 | 50-65 |
参考: 日本食品標準成分表2020年版
カリウム
カリウムには、むくみや妊娠高血圧症を予防する効果があります。
カリウムはからだの中のナトリウム(塩分)を排出する働きがあります。
ナトリウムは水分をからだに取り込む性質があるため、摂り過ぎると、むくみや妊娠高血圧症の原因になってしまいます。
カリウムはむくみや妊娠高血圧症の予防として、妊婦さんに必要な栄養素のひとつといえますね。
βカロチン
βカロチンはからだに必要な分だけビタミンAに変換され、不要な分は吸収されずに排出されます。
ビタミンAは視力や皮膚や粘膜の健康を保つ役割をもち、お腹の赤ちゃんの発育にも必要な栄養素です。
ビタミンAのまま摂取すると、過剰摂取によるお腹の赤ちゃんの奇形などが心配されますが、βカロチンとして摂取する場合は、必要な分しか吸収されないため、その心配はいりません。
ビタミンC
ビタミンCは皮膚や粘膜の健康を保つほか、免疫力を上げて風邪などをひきにくくしたり、疲労を回復したりする役割があります。
また、鉄分の吸収を促進する効果があるため、貧血予防にも役立ちます。鉄分の摂取をするときには、トマトジュースを一緒に飲むとよいかもしれませんね。
リコピン
トマトの栄養素といえば有名なリコピン。その効果のなかでも注目すべきは、抗酸化作用です。
ひとのからだの中には、さまざまな過程を経て「活性酸素」が発生し、活性酸素が増えすぎると、からだにダメージを与えてしまいます。
抗酸化作用には、その活性酸素の活動を抑制してくれたり、ダメージを修復してくれたりする効果があります。
さまざまな病気の原因にもなる活性酸素の抑制は、妊婦さんにとってもありがたい効果といえますね。
葉酸
お腹の赤ちゃんの発育のためにも、妊娠中はしっかり摂りたい葉酸が、トマトジュースにも含まれています。
葉酸は血液をつくるのに必要な栄養素で、不足すると貧血の要因になります。トマトジュースや食事、サプリからしっかり摂るようにしたいですね。
トマトジュースの効果
・酸味でさっぱりしていてつわりでも飲める
・カリウムでむくみ、妊娠高血圧対策
・βカロチンで皮膚や粘膜の健康、お腹の赤ちゃんの発育
・ビタミンCで免疫力と鉄分の吸収力アップ
・リコピンで病気予防
・葉酸でお腹の赤ちゃんの発育とママの貧血予防
みんなの声
妊娠中にトマトジュースを飲んでいたという、妊婦さんたちの声をみてみましょう。
普段トマトが苦手な人も、不思議とつわりのときなら飲める場合があります。
レモンをしぼることで飲みやすくなるのでよいですね。無塩が物足りないひとにもおすすめの飲み方です。
トマトジュースアレンジレシピ
トマトジュースはそのまま飲んでも美味しいですが、アレンジをすれば料理にも使えます。おすすめのアレンジレシピを紹介します。
トマトと落とし卵のレンジリゾット
つわりのときは料理や片付けをするのも大変ですが、これならマグカップ1個でできるのでありがたいですね。栄養もとれるので朝食などにおすすめです。
ミネストローネ
ミネストローネは作るのも簡単で、バランスよく栄養摂取もできるため、多めに作っておくとよいでしょう。
トマトジュース以外でつわりのときにおすすめの飲み物
トマトジュース以外にも、つわりのときのおすすめの飲み物を紹介します。
オレンジジュース
オレンジジュースの酸味やクエン酸の効果で、つわりの症状が和らぐ場合があります。
ただしオレンジジュースは糖質が多いため、100%のものを選び、飲みすぎないようにましょう。
炭酸水
炭酸水は胃腸の血流をよくしてくれたり、吐き気を和らげたりする効果があります。
ただ、胃腸の弱い人は、胃痛の原因になることもあるので注意しましょう。
胃腸の負担を考慮すると、一気飲みはせず、飲むときはコップ1杯程度がよいでしょう。
レモンをしぼると、すっきり飲めて、さらにクエン酸の効果で吐き気を予防できるためおすすめです。
温かい飲み物
温かい飲み物を飲むと、胃腸があたたまり代謝をよくしてくれます。
妊娠中はプロゲステロンというホルモンの作用で、胃腸のはたらきが弱くなっているため、温かい飲み物で代謝をあげるとつわりが和らぐことがあります。
お味噌汁やスープなどを食事のときに取り入れてみるとよいでしょう。
トマトジュース以外でつわりのときにおすすめの飲み物
・オレンジジュース
・炭酸水
・温かい飲み物
まとめ
つわりのときは食べれるものが限られてきます。そんななか、トマトジュースは妊婦さんの強い味方といえるでしょう。
飲むときは無塩のものを、コップ1杯程度にし、食事とのバランスを考えて飲むようにしましょう。
つわりはいつか終わります。トマトジュースで、つらいつわりの時期を乗り越えられると幸いです。